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企業・お仕事場の防災用品・防災備蓄とは~ガイドラインに沿った防災備蓄の目安「努力目標」とは 何をどれだけ備蓄したらいい?の巻~

災害発生に備えた企業防災で、防災用品・防災備蓄は何をどれだけ用意すればいいでしょうか。
企業の防災備蓄は、ガイドラインに則った「努力目標」があります。
一般の家庭の防災備蓄の考え方とは違う、企業の防災備蓄の目的と、目安に沿っているかを見直しましょう。

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企業の防災備蓄の目的とは?何のために備えるのか

一般的に企業の防災備蓄のガイドラインは 東京都帰宅困難者対策条例 を基準としています。

東日本大震災では、道などを使って通勤・通学をしている人々の帰宅手順が閉ざされ、首都圏において約515万人(内閣府推計)に及ぶ帰宅困難者が発生しました。

道路や歩道が多くの人で埋まり、大渋滞が発生することで、警察・消防・自衛隊の車両が速やかに現場に到着できず、人命救助のカギとなる72時間の救助・救命活動に支障をきたします。

そのため東京都は帰宅困難者対策を総合的に推進するため、「一斉帰宅抑制の推進」、「安否確認の周知」、「一時滞在施設の確保」、 「帰宅支援」を主な柱とする「東京都帰宅困難者対策条例(以下「条例」という)」を制定しました。

東京都の帰宅困難者対策の努力目標

この条例に基づいて、東京都の帰宅困難者対策の努力目標には、次のようなものがあります。

企業が従業員を施設内に待機させる

企業が従業員のための備蓄(飲料水や食料など)を行う

駅や大規模な集客施設の利用者を保護する

学校などの児童・生徒の安全を確保する

官民が安否確認や災害関連情報を提供する

企業の防災備蓄の主な目的は 帰宅困難者対策

条例を基に作成された東京都防災ホームページ「帰宅困難者対策ハンドブック」によると

災害発生時、人命救助のデッドラインは72時間と言われています。発災後3日間は救助・救命活動を優先させる必要があります。

そのため、事業者は従業員等の一斉帰宅が救助・救命活動の妨げとならないよう、
発災後3日間は企業等が従業員等を施設内に待機させるとともに、必要な備蓄を行うよう努めましょう。
(出典:東京都防災ホームページ「帰宅困難者対策ハンドブック」)

とされています。

企業に求められる防災備蓄の目的、ガイドラインは
・従業員の一斉帰宅の抑制 :企業は従業員を3日間は施設で待機させるために必要な備蓄を行うこと
と考えられています。

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一斉帰宅の抑制(3日間の待機)に必要な3日分の備蓄とは

施設内待機のための備蓄についてのポイントは、


従業員が施設内に留まれるように、3日分の水・食料等を備蓄

外部の帰宅困難者(来社中の顧客・取引先や発災時に建物内にいなかった帰宅困難者など)のために、10%程度の量を余分に備蓄

その他、企業ごとに必要な備蓄品を検討

(出典:東京都防災ホームページ「帰宅困難者対策ハンドブック」)

とされています。

3日分の飲料・食料の備蓄の目安

災害後 飲食店や小売店、物流が止まり、水道も止まることを想定し、
従業員が3日間施設内に留まれるだけの水・食料の備蓄が必要です。

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対象となる従業員は、雇用の形態(正規・非正規)を問わず、事業所内で勤務する全従業員

3日分の備蓄量の目安は、従業員一人当たり


水:1日3リットル、計9リットル

主食:1日3食、計9食

毛布:1枚

(出典:東京都防災ホームページ「帰宅困難者対策ハンドブック」)

とされています。

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水・飲料の備蓄目安

水・飲料の3日分の備蓄量の目安 :1人当たり1日3リットル、計9リットル

長期保存水

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  • 長期保存水と通常の水との違いは?
  • ミネラルウォーター類の一般的な製造方法は、特定水源から採水された地下水や水道水を原水として使用し、この原水をろ過した後、殺菌し、ペットボトルなどの容器に充填しています。
  • 長期保存水は充填される水自体は同じようにろ過殺菌された水ですが、通常のペットボトルよりも容器が丈夫で内容物の揮発を長期間防ぐことができるようになっているため、賞味期限が長く設定されています。

主食の備蓄目安

主食の3日分の備蓄量の目安 :1人当たり1日3食、計9食
主食とはアルファ化米、クラッカー、乾パン、カップ麺など

長期保存できる非常食と、日常的に食べられるカップ麺などを組み合わせて備蓄できるといいですね。

長期保存できる非常食

アルファ化米

お湯・水を入れて待つだけでご飯が出来上がるアルファ化米は、省スペースで保管できるのでまず用意しておきたいですね。

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乾パン/備蓄用保存パン・お菓子・栄養調整食品

定番の乾パン、長期保存パンなどのほか、食べなれたお菓子や、栄養バーなどの長期保存タイプもあります。

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普段使いの商品をローリングストック

水、非常食・備蓄食品をすべてストックするには場所もとるし、長期保存商品は割高になります。

水や、麺類など普段の飲食物を多少多めに購入し、日常的に使いつつ、なくなる前に補充してかしこく蓄えるローリングストックもあわせて活用しましょう。

「いつもの水」をローリングストック

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来客や会議用の飲み物、熱中症対策ドリンクをローリングストック

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カップ麺や栄養調整バーなどを夜食や間食用に常備してローリングストック

お湯が使える状況なら、カップ麺が手軽です。非常時には"食べなれた味"が安心できます。

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栄養補助バー/プロテインバー

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3日間の待機のために食料以外に必要な備蓄品

従業員を3日間施設内に留まり待機させるためには、仕事場で宿泊する為の用意が必要です。

防災用毛布

防災用の毛布は1人1枚備蓄しましょう。

アルミブランケット

コンパクトなアルミブランケットでも、1枚あると体温低下を防ぎます。

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簡易ベッド/エアーベッド/エアーマット

空気で膨らませるエアーベッド/エアーマットならコンパクトに収納できます。
簡易なものでも、硬く冷たい床に直接寝るよりも寝心地を緩和します。

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トイレの水洗は使えなくなる!防災トイレは十分な数を備蓄しましょう

災害発生時、ビルなどの建物のトイレの水洗が使えなくなることが考えられます。
条例の「努力目標」には設定されていませんが、防災トイレも十分な数を備蓄しましょう。

トイレにいきたくなってから1日我慢することはできませんよね。じつは水や食料よりも防災トイレが早く、先に必要になるのです。

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成人のトイレ回数は1日に平均3~5回。
トイレは食事の回数よりも多いため、非常用簡易トイレは思いのほか沢山必要になります。

防災トイレの備蓄必要数は【1日5回】×【人数】×【日数】

人数と日数をかけて十分な必要数を備蓄しましょう。

防災トイレの備蓄についての記事はこちら!

防災備蓄の「努力目標」は最低限のガイドライン

防災備蓄の目安「努力目標」は、過去の災害発生時の教訓からあくまで「大規模災害発生時に混乱や帰宅困難者を減らすこと」を目標に設定されています。

上記品目に加えて、事業継続(BCP)等の要素も加味し、企業ごとに必要な備蓄品を検討しておきましょう。

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